よくある質問(ボツリヌストキシン治療) faq-botox
よくある質問(ボツリヌストキシン治療)
- Qボツリヌストキシンを使用した治療はどのような症状や問題に対して効果的ですか?
- A
歯の破折、歯根の破折、補綴装置(かぶせものや詰め物のこと)が取れたり、壊れたりを繰り返す方、とくに、同じ場所(重心がかかる場所に起こりやすいので、気を付けていても左のある特定の歯ばかり銀歯が外れるといったような例)に繰り返し起こる場合。知覚過敏(とくに、歯がしみるといって歯医者さんに行くと虫歯はありません。と言われてしまうのにしみる症状が消えない方。)やくさび状欠損(歯冠部分と歯根部分の境目のところがくさび状に削れている方。)がある方。
歯ぎしりや食いしばりがある方。顎が痛くて口が開けづらかったり、虫歯がないのに歯に痛みがある方。義歯の調整をしてもらっても、すぐにまた義歯を装着すると痛くてかめなくなる方。これらの症状の原因として過大な咬合力(咬む力が強すぎること)が関係していることがあり、ボツリヌストキシンによる治療によって改善することがあります。
- Q治療の過程や期間はどのようなものですか?効果が現れるまでに時間がかかる場合がありますか?
- A
治療の過程は、歯科においてはまずは口腔内の審査、それから咬筋(場合によっては側頭筋)の筋力を術前に測定し記録しておきます。(数値で客観的に知ることで、効果の度合い、追加の治療の必要な時期の判断材料にします)十分な問診のあと、必要な部位に、必要な量の薬剤を注射により注入します。効果は数日後から一ヶ月後くらいで発現し、数カ月持続します。筋肉に対して薬剤を注入することになりますので、筋肉量の多い方(女性より男性は一般的に多いですし、筋肉そのものの厚みは個人差があります)は効果の発現まで時間がかかる場合があります。当院では一ヶ月後くらいに、効果を確認するために来院してもらい筋電計(Myonyx・ソートテクノロジー社)で数値を測定し、術前との変化を確認しています。自覚症状は個人差がありますが、どなたも「効果が薄れてくると、あ、ボツリヌストキシンの効果があったんだな」と感じるようです。例えば、しばらく落ち着いていたのに、最近また食いしばるようになって舌が痛いです。とか、頭痛薬を飲まなくなっていたのにまた服用頻度が増えました。などです。
私自身もボツリヌストキシン治療を行ってから、頭痛薬を買う頻度が著しく減りました。個人差はありますが、過大な咬合力で健康を害することが少しでも減ることは、歯科医療を行う者にとっても福音です。
- Q治療後のケアや注意事項はありますか?食事や日常生活に影響を与えることはありますか?
- A
咬筋にボツリヌストキシン療法を行う場合は、お顔の皮膚に注射をすることになりますので、注射の痕が残りづらいように30Gのとても細い針を使用します。また、施術後すぐに「CEBELIA L.C.E.バームⓇ」を塗布することで(ヒーリング、内出血の防止、あざの防止に効果があることが認められているフランス産のクリームです)内出血やあざが翌日出ることを極力防止するように努めています。基本的に、メイクを落とし、アルコール消毒をしたあとに施術を行いますが、施術後はメイクをしてお帰りいただけますし、その後の洗顔、スキンケアもふつうにしていただけます。強く皮膚をこするなどの行為は行わないほうがよいかと思いますのでマッサージ、エステなどは控えましょう。また、施術した部位に薬剤がとどまり、取り込まれるためには、過度に血流が増加し、体中に分散してしまうということを防止するために、激しい運動や過度の飲酒、長湯や温泉といったことはさけてください。
食事の制限はありませんが、効果が強く出ると一時的に食べ物が頬にたまりやすいといった現象がおこることがあります。咬む力が弱まることで、食事をするのに時間がかかるなどの症状を感じることもあります。徐々にかならず慣れてなじんでいきますので、心配なことはご相談ください。薬というものは必ず副作用があります。メリット、デメリットともいいますが、ボツリヌストキシンの治療は、人間の体に備わる再生能力のおかげで、必ず筋肉は再生、回復していくので、元に戻ります。咬合が及ぼす歯に対するストレスによって引き起こされる数々の不快な症状を軽減できる治療法として、恩恵の方が大きいと思います。
- Qボツリヌストキシン治療の効果が持続する期間や、定期的な治療の必要性について教えてください。
- A
一ヶ月後に筋電計で効果を確認したら、3か月後、6ヶ月後といったくらいのタイミングで効果をはかります。個人差はありますが、一回の施術で1年以上問題ない方もいらっしゃいますし、だいたいの方は6か月から1年くらい経過後に2回目の施術を行います。いわゆる歯ぎしり、食いしばりが問題となる方は、必要以上に咬む筋肉である咬筋を使っている状態つまり、筋トレを毎日おこなっていることになります。
ボツリヌストキシン治療を行うことで筋トレをしなくなるために、徐々に筋肉が弱まっていくことになり、始めは6ヶ月後、1年後と施術が必要でも、反復投与されることで必要としなくなっていくとされています。お口の中の状態と合わせて経過をみていくことが大切です。