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歯の根の治療の過程はどのようなものですか?

2023年10月17日

天然歯の場合、つまり虫歯の進行により、神経を取る治療が必要な場合は、始めに麻酔をします。その上で、虫歯になっている歯質を切削器具をつかい取り除きます。(歯医者さんで耳にするいやーな音がするタービンという器具を用いることが多いですね)虫歯がエナメル質をこえ、象牙質をこえ、歯髄まで到達していた場合。またはそこまで至っていなくても、象牙細管を通じ、細菌が侵入してしまい歯髄の炎症が不可逆性(もとにもどらないくらい炎症を起こしている状態)になってしまっている場合には根管のなかの歯髄を器械的に除去する必要性があります。

根管の中は、歯肉縁下(歯茎のなかのみえない部分)の話ですので、細く狭く暗く、、、拡大鏡、ルーペやマイクロスコープを用いても切削器具で大胆に削ったりすることが難しい場所です。そのため、一般的には「リーマー」「ファイル」と呼ばれる手用の切削器具で少しずつ削ったりする地味な作業を繰り返します。

患者さまからは「お口の中で何をされているのかよくわからない。」といった感想をよくききます。歯の形がそうであるように、同じ根の形はありません。自分自身の歯であっても左右対称ではありません(若干異なります。大きさが違う場合もほとんどです)。さらに歯根の形は形成過程での様々な因子の影響を受けるので千差万別です。術者(Dr)側からは見えない部分であり、形も複雑であることから、難しい治療のひとつに数えられます。私が歯科大学で学んでいた30年くらい前は「根管治療には熟練が必要」とされ、経験を積まなければ良い治療ができないと教育されていました。いろいろな器具、器械の進歩で根の治療のやり方も変わってきた面もありますが、いずれにせよ、丁寧な処置が必要なことにはかわりなく、ある程度の時間と手間がかかることに変わりはありません。

歯科医院で歯を削るのには、いわゆる電動の器具「タービン」「エンジン」といったものに切削器具を取り付けて、高速で回転させることで歯を削ります。DIYで用いられる電動のドリルと同じメカニズムですね。太さ、長さの違う刃を先端につけて回転させることで穴をあけたりしますね。(文字で書くと、なんだか怖くきこえますね。)根の中の管、根管を清掃するのには管の中に削る器具を挿入することで進めていきます。ファイルと呼ばれる手用器具はよくみるとドリルの形をしています。これを指先で持って、手でドリルを回転させることで少しずつ削っていきます。少しずつ太いものに交換していくことによって、管のなかを清掃、また汚染された部分を切削し、その後に充填する薬剤、材料が隙間なく充填することができるように滑らかにしていくという作業を行います。

麻酔下ではなにも感じませんが、麻酔をしていない状況下では、歯を削る際の振動を感じたり、圧がかかることで、ちくちくとするような痛みを感じる場合があります。そもそもの虫歯の大きさ、根の形などによっても、正確な治療を術者側が心がけていても、痛みとして感じる場合がありますので、必要に応じて麻酔をしてもらったりして、辛くない治療を受けてください。

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